ありのままを受け止めること【Vol.6】

相談でご質問をいただくことが多い『ひきこもりからの回復プロセス』に関するコンテンツをご用意しています。
まだご覧になっていない方は、ぜひ上のリンクをクリックして見ていただけると嬉しいです。

 

今回のコラムは、ひきこもりからの回復プロセスの中の表に書かれているフレーズ「ありのまま受け止める」がテーマです。
実は、こちらのフレーズ、全ての段階において出てきています。

 

「ありのまま受け止める」

みなさんは、このフレーズをご覧になった時、どのようなことをイメージされたでしょうか?

 

まず、言葉の意味を見ていきたいと思います。

辞書によると
“ありのまま”とは、「実際にあるとおりの、偽りのない姿のこと」、
“受け止める”とは、「ボールなどを物理的に受けて動きを止めること」という意味が記されています。
今回のような場合において、”受け止める”とは、「相手の気持ち、考え等をしっかり受け取ること」と言い表すことが出来ると思います。

そうすると、“ありのままを受け止める”とは、
「偽りのないあるがままの姿を、そのまましっかりと受け取り、理解すること」と解釈できます。

 

“ありのままを受け止める”スタンスで物事を考えると、
たとえ大切な人がひきこもり状態となっていたとしても、
そのことに対して否定や非難、良い悪いと判断するのではなく、その状態であること、そのままのご本人の姿を認めるということになります。

 

ひきこもりになる背景は様々で、ご本人が抱いている感情や考えも様々ですが、
ご家族からの相談を受けている中で、よく考えさせられる事があります。

それは、家族間でコミュニケーションを取れない状況にあったとしても、ご本人は
「自分の状況に否定や非難をせず、今の状態であることそのものを分かってほしい」
という思いを抱いているのではないか、ということです。

 

部屋から出て来ない、何も話してこないという時には、
表面上はご本人からのアピールがないため、何も考えていないのではないかと思われがちなのですが、
ご本人の中で気持ちや考えは動いていることが多いので、
ご本人の視点に立って、ご本人の言動の裏にある背景を想像してみることも大切です。

 

人は、話を聴いてもらえる相手や、気持ちを分かってもらえる相手には、
話をしてみようかなと思える傾向があります。

ご家族が、信頼できる人には相談できるのと同じように、ご本人が家族に何かを伝えようとするのにも、安心して話すことのできる関係性が出来ていることが前提となります。

ご本人が何か語ってくれた際には、”ありのままを受け止める”というスタンスを思い出してみてください。

 

ありのままを受け止める。

これは、ひきこもり状態の有無に限らずとも、大切な方へのとても重要な関わり方です。

一言で表すと簡単なことのようにも感じますが、
このスタンスに立って関わりを持とうとすると、実はとても難しいことだったりします。

 

このスタンスで本人と関わるには、実際どのようにすればよいの?

うちの場合はどのような対応が良いか詳しく知りたいな・・・

そんな時にはぜひ、ひきこもり支援センターへご相談ください。

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