暗いトンネルを抜けた先に【Vol.34】

前回のコラム【Vol.33】では、ある一人の方のひきこもりの体験談をご紹介しました。

一人ひとりそれぞれ異なる人生のストーリーがあります。そのため、全ての方に、マッチする関わり方や支援内容はないと思いますが、体験談から何か1つでも共通項を見いだせたり、関わりを持つ際のヒントがあれば嬉しいです。

ひきこもりの期間を、“暗いトンネルの中にいる”と例えることがあります。

真っ暗な闇の中にいると、自分がどこにいるのか。どこに向かっていけば良いのか。
どんな人でも、分からなくなります。

暗いトンネルから出ようと、現状と向き合い始めた時、以下のような不安が出てくるかもしれません。

〔ご本人〕
・今、自分はどこにいて、どこを目指していけばよいのかな?
・自分はこうなりたいと思っているのだけれど、どのような道を進んでいくと良いのかな?  など

〔ご家族〕
・本人は、今どのような状況なのだろう?
・家庭内のコミュニケーションが大切と言われているけれど、何から始めていくのが良いのだろう?  など

今後のことや将来的な生活を考えるとき、はじめに、現在地を確認することが必要ですが、この作業を一人で行うことは大変です。

自分や家族のいる現在地を確認する際に、誰かと一緒に整理していくことで、より理解を深めていきやすくなると感じています。

 

現在、国の方針として、市町村域における相談窓口の設置と支援内容の充実を目指す取り組みが進められています。今後は、より身近な地域で相談が受けられるようになってくると思います。

ぜひ、1人で抱え込まず、支援機関への相談や家族会に繋がっていただけたらと思います。

 

《参考》
〇地域若者サポートステーション(通称サポステ)

:「働く」への一歩を踏み出したい15歳~49歳までの、現在お仕事をされていない方や就学中でない方とじっくりと向き合い、本人やご家族の方だけでは解決が難しい「働き出す力」を引き出し、「職場定着するまで」を全面的にバックアップする厚生労働省委託の支援機関。福島県内では、福島市、郡山市、白河市(常設サテライト)、いわき市、会津若松市に置かれている(令和5年2月末現在)。

〇ひきこもり家族教室

:福島県内では、各圏域(県北、県中、県南、会津、南会津、相双、福島市、郡山市、いわき市)の保健所が主催となり、開催されています。

〇KHJ全国ひきこもり家族会連合会

:全国各地に支部があります。

 

※お知らせ

こちらのコラムが、最終投稿となります。

長年お読みいただき、本当にありがとうございました。