「休息」の取り方【Vol.32】
ご相談に来ていただいた多くの場合で、ひきこもり状態とならざるをえなかったご本人だけでなく、ご本人の生活をサポートしてくださっているご家族自身も傷つかれている様子が見受けられます。〔ご家族の思い【Vol.11】〕
これまでのコラムに書いてきたポイントは、ご本人を支える視点や関わり方として大切なものではありますが、その前提として、ご家族自身が健康であり、元気であることが大切です。〔心のゆとり【Vol.12】〕
ご本人のためを思って、ご家族として何らかのアクションを起こしても、状況が変わらず、自分たちも元気がなくなり、疲れが取れなくなってしまっているということはありませんか?
「ゆっくり休んでくださいね」
と、よく言われるかと思いますが、「休む」とはどういうことでしょうか。
皆さんは、「交感神経」や、「副交感神経」という言葉を聞いたことがありますか?
交感神経は「頑張るモード」、副交感神経は「リラックスモード」です。
頭の中を悩み事がグルグルしている、寝ても寝ても疲れが取れない時は、「頑張るモード(交感神経)」のスイッチが切れない状態です。どんどん心身のエネルギーが使われていき、エネルギー切れを起こします。
それを回復するのが「リラックスモード(副交感神経)」です。
そのためには、頑張るモードに入ったスイッチを、リラックスモードに切り替える必要があります。
心配事がありながらも、元気に生活をしていくためには、頑張るモードからリラックスモードにスイッチを切り替えて、身体のエネルギーを回復することが大切となります。
副交感神経のスイッチに切り替える方法として、寝る30分前にレンジで温めたタオルなどで首を温めたり、おへその下あたりに手を当てて、手の温かさでお腹を温め、“その温かい感じをじっくりと味わう時間を取る”ことが、気軽にできてお勧めです。
(まるで、カンガルーのおかあさんが、お腹にいるこどもの体温を感じているかのようなイメージです。)
ご家族が孤立せず、心身共に元気で健康的な生活を送ることが、ご家族にとっても、ご本人にとっても、エネルギー源となりますので、ご家族の皆様には、ぜひご自身の心身のケアにも目を向けていただきたいなと思います。