ひきこもりが回復するまで⑥~動き出した後の関わり方~【Vol.30】

前回のコラム(Vol.29)にて、動き出し期の過ごし方について、お伝えしておりました。
今回は、ご本人が動き出した後の対応のポイントについてです。 

 

動き出し期が来て、ご本人が社会と繋がれるようになったとしても、支援機関や職場とうまくマッチングしなかったり、ご本人が頑張りすぎて、エネルギー切れを起こしたりするなど、順調に進んでいかないこともあります。 

ご本人が、勇気を出して動き出してはみたものの、実際には思うようにいかなかったとき、自分や他人のせいにしたり、不安感や恐怖心が再び出てきて、家から出られなくなる状態となってしまう場合もあるかと思います。 

ご家族としては、「せっかく動き出したのに、また、以前のような姿に戻ってしまう」という焦りから、何とかしようとご本人の動き出しを急かしてしまうかもしれませんが、ここでも、ご本人とよくコミュニケーションを取ることが大切です。 

挑戦してみてどのように感じたのか。
何が大変だったのか。
どのようなことならできそうなのか。…

 

最初のうちは、ネガティブな感情しか出てこないかもしれませんが、よくよくお話を聴いていくと、その後動き出す際にヒントとなるような情報がたくさん隠れています。 

また、気持ちを吐き出していくうちに、本人自身の気付きに繋がることもあります。 

 動き出してみたこと、挑戦してみたことや、その振り返りの中から得られるものは、その後の過程でミスマッチを起こさないためにも、とても有益な情報であり、大変価値のあるものです。
ご本人の勇気を出した一歩が、失敗体験として終わってしまっては、非常にもったいないと感じます。 

 

ご家族含め、ご本人をサポートしている方々が、ご本人の勇気を出した一歩や経験をマイナスとして捉えず、次に繋ぐステップとして捉えて、関わっていくことが大切です。 

まずは、ご本人の率直なお気持ちを確認することとなりますが、その際ネガティブな感情が出て来たとしても、否定的な情報に注目するのではなく、やってみたという事実に対してポジティブなフィードバックをすることで、本人のモチベーションや自己肯定感に繋がっていきます。 

経験したことを次のステップに繋げていくためには、どのようにしたら良いかを、ご本人のペースも考慮しながら、一緒に考えていけるといいですよね。 

 

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