ひきこもりが回復するまで④~ためらい期の過ごし方~【Vol.28】

ひきこもりの状態にも、段階があります。その段階に応じて、適切な関わりをすること、焦らずに丁寧な関わりを続けていくことが、回復の近道だと考えています。

今回のテーマは、ひきこもりからの回復プロセスのページで紹介している内容を含んでおります。まずは、こちらのページをご覧の上、お読み下さい。

 

混乱期、安定期を経て訪れるのは、ためらい期という時期です。

ご本人の中の混乱が少なくなってくると、徐々にご本人自身のことについて、現実的に悩み始めるようになります。

家族とのコミュニケーションが回復してくる時期には、ご本人から「何か始めてみようかな」などと動き出すことに対して、ポジティブな言葉が聞かれることがあります。

ご家族としては、ご本人の言葉に対して嬉しく感じると同時に、「このタイミングを逃したくない」という焦りも出てくるかもしれません。

 

この時期のご本人の心情として、「何か動き出してみようかな」という思いは確かにあるものの、
その一方で失敗することへの恐怖を感じたり、周囲の目が気になったりして、なかなかその小さな一歩を踏み出すことができないこともあります。

 

ためらい期の過ごし方として大切なことは、ご本人の一歩踏み出すことへの不安な気持ちを受け止めつつ、ご家族ができる範囲で、動き出す時のサポートしてくれる機関の情報を集めておくこと、ご本人の動き出そうとするタイミングで手を差し伸べる事ができるように準備を整えておくことです。

ご本人が動き出すことに対して、何が不安に感じているのか、
また、どのようなサポートがあると一歩を踏み出すハードルが少しでも下がるのか。
その人それぞれで、感じていることも違いますし、提案できるサポートも異なってきます。
ご本人とのコミュニケーションを取りながら、一緒に考えていけるといいですね。

 

徐々に、本人と家族とのコミュニケーションが回復してきた段階であっても、
なかなか動き出せずにいるご本人の姿を見ていると、
この状況がいつまで続くのか、親が年老いていくまで続いてしまうのではないか、
今後の生活はどうなっていくのか、などと、ご家族の心配は、絶えないかもしれません。

家族相談のみでなく、本人面談も行っています。
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