ひきこもりが回復するまで③~安定期の過ごし方~【Vol.25】
ひきこもりの状態にも、段階があります。その段階に応じて、適切な関わりをすること、焦らずに丁寧な関わりを続けていくことが、回復の近道だと考えています。
今回お話していくテーマは、ひきこもりからの回復プロセスのページで紹介している内容を含んでおりますので、まずは、こちらのページをご覧になっていただいた上で、お読み下さい。
気持ちが安定し、家族とコミュニケーションが取れるようになっても、ご本人のエネルギーが完全には回復しておらず、社会に出ることへの恐怖心が残っていることが多いように感じます。
そのため、ご本人が、すぐに相談機関へ繋がることが難しいこともあります。
お互いの気持ちが安定し、家族間でのコミュニケーションが取れる時期にしていただきたいことは、それぞれが安心できる環境での生活を継続していくこと、家族間でのコミュニケーションが取れる状態を維持し、ご本人ができる範囲で動き出すきっかけを作っていくことです。
ここで挙げている“動き出す”とは、必ずしも外に出ること、直接的に社会と繋がることとは限りません。
例えば、家の手伝いを本人の役割としてお願いする、といったことから始めることも、一つの方法です。
以前のコラムでもご案内した、関わり方の基本(Vol.17/Vol.18/Vol.19/Vol.20)や、聴く姿勢を整えるポイント(Vol.21/Vol.22)を意識したコミュニケーションを継続していくこと、ご本人とご家族との信頼関係を回復させていくことこそが、ご本人が動き出す際に必要となるエネルギーを溜める手助けともなりうる、とても大切なポイントとなります。
また、このポイントを押さえていただくことで、安定期へ移行した後の動きを作っていくために必要な土台が築かれていくことにも繋がります。
傍から見ると、ひきこもり状態が続いていることに変わりはないため、本人の状態が変化しているということに気付きにくいかもしれませんが、ご本人の内部では、日々変化が起こっています。
お互いの気持ちが安定してきたとはいえ、ご家族としては、
この状況がいつまで続くのか、
親が年老いていくまで続いてしまうのではないか、
今後の生活はどうなっていくのか、
といったような心配は、絶えないかもしれません。
ご本人、ご家族の状況に応じた対応に関する相談をご希望される場合には、ぜひご連絡ください。
センターへ来所していただく面談や、居住地域への出張相談も、随時行っています。
ご相談お待ちしております。