関わり方の基本④ とにかく聴くこと【Vol.20】
家庭内で会話が増えてくると、家庭内の重々しい雰囲気も変化し、本人との会話も生まれやすくなってきます。
それは、前回のコラム(Vol.19)でお伝えした“コミュニケーションが持つ力”により、家族関係のしこりが和らいだことで、家族関係にも変化が見えたと言えるかもしれません。
本人と他愛のない話ができるようになると、次のステップは、本人自身の気持ちの吐き出しが始まることが多いです。
本人の気持ちの吐き出しのステップへのカギは、本人との間で、「本人の話を聴こう」「この人は、自分の話を聴いてくれる」という信頼しあえる関係性となることです。
ここで注意するのは、本人が話すようになった時、最初に、「仕事をしたい」「学校に行きたい」などといったご家族が望んでいるようなポジティブな話よりも、家族や過去の出来事への不満、将来の不安・焦燥感などのネガティブな話や気持ちが出てきやすいということです。
それは、本人がこれまで一人で抱えていた苦しみを、やっと信頼できる家族に打ち明けられたということで、内容はネガティブであったとしても、とてもポジティブな出来事です。
家族にとって、心が痛い話の時もありますが、その際、反論や否定、励ましではなく、「とにかくひたすら聴くこと」を意識して、話を聴いていくことが大切です。
瞬時にいろいろと考えて反応してしまうと、ぎこちなくなってしまったり、本人が求めているような反応ではないものが出てしまったりすることもあります。
まずは、深く考えずに、とにかく聴くことから、やってみることが良いでしょう。
話を聴く際のポイントについて、次回のコラムから一つずつ紹介していきます。
次回の更新をお待ちください。
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