関わりの基本① あいさつ【Vol.17】
ひきこもりから回復する際のポイントの一つは、ご家族がご本人と会話できるような関係性であることと考えています。
ひきこもり状態とならざるを得なかったご本人は、生きづらさによる苦しさを感じながらも、日々暮らされていることと思いますが、自らの状況を身近にいるご家族へ素直に伝えることができない場合も多く見受けられます。
ご家族として、ご本人との関係性を絶たないようにしようと頑張って話しかけても、上手く会話ができない(思うように状況が好転化しない)日々が続くと、ご家族もエネルギーを消失してしまい、関わりが持続せずに、ご本人と繋がることのできるきっかけを失ってしまうこともあるかもしれません。
また、ご家族からご本人へ話しかけようと思った時、不自然になってしまったり、ぎこちなくなってしまったりすることもあるかと思います。
ご本人と会話ができるような関係まで回復するために、ご家族の関わり方としてお勧めしている点がいくつかあります。
その一つが、ご本人との関係性回復の基盤作りのためにご家族ができることとして、日常のあいさつから始めていただくことです。
「おはよう」「行ってきます」「ありがとう」「おやすみ」等、家族間であいさつをしあうことで、ご本人へも自然に話しかけるきっかけを作りやすくなります。
また、ご本人に向かって、あいさつの声掛けをすることによって、“家族の一員として認めているよ”というメッセージを伝えることができます。
最初のうちは、ご本人からは返事が来ないことを前提として、とにかく毎日続けていただくことが大切となります。
返事がなかったとしても、ご家族からのあいさつによって、ご本人が傷つけられるということは殆どありません。
最も重要なポイントは、声を掛ける際にあいさつだけをすることです。
あいさつをした後、これからのことなどご家族としての思いや心配ごとを伝えたくなりますが、ご本人との関係性が回復していない段階で伝えたとしても、逆効果になってしまいます。
まずは、ご家族だからこそ続けることができる日常のあいさつを心掛けてみませんか?
中には、あいさつの声掛けをしていても、状態が変わらないという場合もあるかもしれません。
その場合は、何か別の関わり方が必要であることも考えられます。
ぜひ、ご相談にて、お話をお伺いしながら状況を整理できればと思いますので、どうぞご連絡ください。
家族としての関わり方のポイントやコツについて、今後も順次コラムにて掲載していきます。
ご本人への関わりについて、より具体的に知りたい…など、
相談を希望される場合には、まずは一度当センターまでお問い合わせください。
ご相談お待ちしております。